皆さん今晩は
今日は久々に園芸ネタでも。
最近は気温も温かくなってきたので夏野菜の定植には良い時期ですよね。
3月頃
とんがらし芥川さんで予約していた唐辛子の苗が届いたので鉢に植える作業をしていました。
上3つがロコトオレンジ(Rocoto Orange)、下4つがマンザーノレッド(Manzano Red)
とんがらし芥川さんは海外通販で種を購入しないといけないような品種でも苗を扱ってくれるのでありがたいです。
我が家では毎年モザイクウィルス被害に悩まされているので
レンテミン処理をします。
モザイクウィルスによるモザイク病はいくつか種類がありますが、どれも植物が感染すると完治させる方法が一切ない不治の病なので事前に対処する必要があります。
レンテミンはシイタケ菌糸から摘出したサイトカイニン等を含むウィルス病防除剤で、現状唯一のウィルスに対抗する手段です。
適切に処理した場合の感染防除率は95%を超えるとか。ただあくまで防除であり、感染した場合はレンテミンといえども癒させることができないため事前に、植え付けの時にレンテミン処理をするのが一般的でしょうか。
ちなみに農薬ですが、シイタケ菌糸由来の自然成分しか入っていないため作物にも人体にも無害なので安心して使用することができます。
手順は簡単。用意するものはこれだけ。

薄めるための水と葉面散布用のスプレーと液浸用の適当な容器
説明書に従い唐辛子類にはレンテミンを10倍希釈します。

しっかり唐辛子が使用作物に登録されている農薬って貴重な気がします。
液浸は根が全部浸れば良いみたいですが、一応5~10分くらいつけておきます。

そして葉面にはスプレーで表も裏もしっかりと吹き付けます。
あと作業をする前に手もレンテミンで濡らしておくとより安全です。
処理完了。

後は普通に鉢に植え付けるだけです。
浅植えでいきます。

白い粒はコガネムシ忌避効果を狙ったパーライト
完成!

支柱も立てて紐で仮止めもしておきました。
元気に育っておくれ。
ちなみに昨年も同じことをしていますが、ウィルスにも罹らず、すこぶる健康的に育ちましたが、結局実を収穫することができませんでした。
そもそもロコトという品種が少し特殊な位置にある唐辛子で日本の気候とまるであっていないのです。
唐辛子(Capsicum属)は大まかに
ピーマンやパプリカ、鷹の爪、ハラペーニョ等一番広く一般的なC.annuum
ハバネロやジョロキア等を含むC.chinense
沖縄の島唐辛子やタバスコ等のキダチトウガラシ系であるC.frutescens
アヒ(aji)と呼ばれるペルーやボリビア、ヨーロッパの一部で一般的なC.baccatum
これら4つの属が一般的ですが、ロコトはこれらとは異なるC.pubescens種となる唐辛子です。
原産は南米のアンデス、種小名のpubescensは毛が生えたという意味で、その名の通り茎や葉が柔らかい毛で覆われています。
また花が綺麗な紫色をしており、種が黒いのも他の唐辛子と大きく違うところでしょうか。
原種の特性を色濃く残している品種の為、気候風土もアンデス地方に準じないと上手く育たないと言われています。
アンデスの気候がイマイチわからないですが、おそらく高山性気候といいますか、昼は日差しが強く空気が乾燥していて暑い、夜は逆に一気に冷え込む、そして朝には霧が立ち込める・・・そんな環境だろうと想像できます。
そのため日本の高温多湿な夏は蒸れてダメになる可能性が高く、冬の雪が降るような寒すぎる低温にも弱いという・・・
そんな日本では難しい品種ですが、他の唐辛子と一味も二味も違う特徴はとても魅力的なのでどうにか上手く育てることができないのかと思い昨年から挑戦しています。
昨年は秋の終わりに2つの実が結実しましたが、2つとも季節外れの強風に飛ばされて結局収穫できずに終了してしまいました。
今年こそは何とか収穫まで漕ぎ着けたいと思っていますが果たして・・・
以下ロコトに関するメモ
確定事項
・ロコトは自家不和合性なので結実には複数株が必要。
昨年の経験による主観
・事前情報よりも高温にも低温にも強い。
・加湿と水切れに気を付ければ夏の高温には耐えられ(見た目は)健全に成長し花も咲く。しかし夏場は人工授粉等何をやっても結実しない(これが一番の問題)
・結実は秋になって気温が下がってから、特に昼夜の温度差が大きくなる10月後半から11月いっぱいがチャンス。もしくは冬越しさせて春の気温が上がらないうちに結実させるか。
・冬越しは霜と雪さえ気を付ければ可能。むしろ他の唐辛子より低温に強いように思う。
・枝が横に横にと広がるように成長するため広いスペースがあった方が良い。またその性質上他の唐辛子より風を受けやすく枝が折れる危険性が高い。
こんな感じです。関東でロコトの育成に挑戦する人の参考になれば幸いです。